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ペースメーカー外来

ペースメーカー外来について

脈が遅くなるタイプの不整脈(徐脈性不整脈:洞機能不全症候群、房室ブロック、徐脈性心房細動など)の治療のために人工ペースメーカーを植え込まれた患者様は、半年に1回程度ペースメーカー外来での検査が必要です。定期的な検査だけでなく、めまいや動悸など気になる症状がありましたら、ペースメーカーの検査を受けることをおすすめします。
特殊な機械を体の外から当てるだけで、ペースメーカーから様々な情報を読み取ることが可能です。
読み取った情報をもとに、必要に応じてペースメーカーの設定を微調整し、ペースメーカーを最適化することも可能です。ペースメーカーには様々な種類があり、その種類ごとに検診日が決まっています。そのため、完全予約制としております。日本で使用されているほとんどのペースメーカーは当院で検査可能です。

※ご来院の際は「ペースメーカー手帳」を忘れずにお持ちください。ペースメーカー手帳には今後、毎回の点検内容を記録していきます。当院では埋め込み手術は行っておりませんが、他院で埋め込みされた患者様の経過観察の外来を行っております。

ご予約はこちら

当院で対応しているペースメーカー会社

  • 日本メドトロニック
  • 日本ライフライン
  • 日本光電
  • フクダ電子
  • ボストン
  • セント・ジュード・メディカル
  • アボット
  • エラ・メディカル
  • ソーリン
  • バイオトロニック

ペースメーカー外来の対象となる方

以下の心臓埋め込み型機器を、体内に埋め込まれている患者様

  • ペースメーカー
  • 埋め込み型除細動器(ICD)
  • 両心室ペースメーカー(CRT-P)
  • 両心室ペーシング機能付き埋め込み型除細動器(CRT-D)

ペースメーカーとは

心臓は4つの部屋(左心房、右心房、左心室、右心室)で構成され、電気信号に従って血液を全身に送り出すポンプとして機能しています。電気信号は洞結節(どうけっせつ)で発生し、右心房を通って房室結節(ぼうしつけっせつ)に伝わり、心室を収縮させます。病的に脈が遅くなる徐脈(じょみゃく)は、収縮に関与する洞結節と房室結節の異常が原因であると考えられます。
洞結節疾患(洞結節不全症候群)は、右心房の洞結節の細胞に異常が生じ、その結果、心臓を動かす電気の発生頻度が激減したり、電気の発生ができなくなったりする疾患です。
房室結節の異常としては房室ブロックが挙げられます。洞結節で発生した電気は心房を収縮させ、房室結節を介して心室を収縮させます。この房室結節の細胞に何らかの異常が生じ、電気信号が心室にうまく伝わらなくなった状態が房室ブロックです。
徐脈性不整脈では、人工的な電気信号で心筋を刺激して心収縮を起こす必要があります。この目的を達成するために使用される医療機器が、ペースメーカーです。


ペースメーカーの埋め込み

ペースメーカーは電気パルスを発生させる機器です。本体は小さな金属製で、リチウム電池と電気回路を内蔵し、重さは約20グラムです。心拍を常時監視し、脈が遅い(徐脈)ことが検出されると、正常な脈を取り戻すために弱い電気刺激が送られます。
基本的にペースメーカーの手術は、左右どちらかの鎖骨の下の前胸部を4~5cm切開し、皮膚と筋肉の間に埋め込む手術です。リードと呼ばれる電線が血管を通して心臓(右心房と右心室)に埋め込みます。ほとんどの場合、局所麻酔で行われますが、場合によっては全身麻酔で行うことがあります。
また、リードを必要とせず、小さな電池本体だけでペースメーカーとして機能するリードレスペースメーカーというものもあります。この装置は皮下に埋め込むのではなく、カテーテルを使って心臓に直接埋め込みます。


徐脈性不整脈

徐脈性不整脈とは、脳やその他の臓器に送り込まれる血液の量が減少し、息切れ、めまい、急に視界が真っ暗になる感覚、意識消失などの症状を引き起こす疾患です。
徐脈は、加齢や動脈硬化が進行した方に起こりやすいといわれます。その他の原因としては、虚血性心疾患、高血圧、先天性心疾患、心筋症などがあります。また、慢性腎機能障害からくる電解質異常や甲状腺疾患もあります。さらに、高血圧治療薬や精神疾患治療薬などの薬剤が原因となることもあります。徐脈性不整脈が直ちに生命を脅かすことはまれであり、重篤な症状がない場合は経過観察が推奨されます。ただし、以下の場合はペースメーカー治療が検討されます。

ペースメーカーによる治療が検討される症状

  • 息が切れる、倦怠感などの症状が重篤で、日常生活に支障をきたす。
  • 徐脈性不整脈により失神を起こすことがあり、重傷や事故につながる可能性がある。
  • 徐脈が原因で心不全が生じた、もしくは悪化している。