倦怠感・疲れやすい方へ
倦怠感は、原因不明の慢性疲労症候群などでも起こりますが、内科的な検査でその裏にある疾患が明らかになり、それに基づいた治療が可能になることもあります。
一方、精神疾患が原因の場合は、心療内科や精神科での治療が必要になることもあります。健康な状態であれば睡眠や休養によって回復が可能な生理的疲労や、気分の落ち込みによる心身の異常も倦怠感の原因となります。臓器に炎症や疾患がある器質的疾患も、倦怠感を含む様々な症状を引き起こすことがあります。
器質性疾患とは
器質性疾患とは、一般的にはあまりなじみのない言葉ですが、
- 内分泌疾患
- 血液疾患(貧血)
- 循環器/呼吸器系疾患
- 睡眠障害
- 感染症
- 慢性疲労症候群
- 内臓系疾患(肝機能・腎機能の低下)
などがあげられます。
貧血での倦怠感
ホルモンバランスの乱れ、特に甲状腺ホルモンの乱れなどによって、症状が強く現れる場合がありますので、このような症状が見られる際は内科を受診して相談することが重要です。血液中のヘモグロビンが減少し、体内への酸素供給が不足すると、酸欠状態が生じ、強い倦怠感が現れることがあります。貧血の原因としては、鉄分不足や月経などが考えられます。また、他にも潜在的な疾患が隠れている可能性もあります。
肝機能の悪化
倦怠感が取れない場合、多くの人が睡眠不足や疲労を原因と考えるかもしれませんが、肝機能の低下も忘れてはなりません。肝臓は人体最大の臓器として知られており、エネルギーの貯蔵、解毒、代謝、胆汁生成などの重要な機能を担っています。これらの機能が正常に働かなくなると、疲労や倦怠感が生じる可能性があります。
腎機能の悪化
倦怠感の原因の一つとして、腎機能の悪化が挙げられます。腎臓は血液を濾過し、老廃物や水分、塩分を尿として対外に排出します。本来は体内環境を調整するための機能が十分に働かなくなると、むくみ、だるさ、食欲不振、貧血、高血圧などの症状が身体に現れることがあります。
心臓の働き
心臓の機能低下や不整脈が起こると、全身に必要な酸素が行き届かなくなり、からだ全体に疲労感を感じることがあります。循環器内科では、適切な治療のために、心電図検査やレントゲン検査などで鑑別診断を行います。また、血液検査や尿検査も行い、不整脈の原因を調べていきます。
心不全で倦怠感が起きる?
心不全の主な症状には、疲労感、倦怠感、息切れ、呼吸困難、むくみなどがあります。例えば「階段や坂道を登ると息切れがする」「少し動いただけでも疲れる」「むくみやすい」などの症状があります。
疲労感や倦怠感は、心臓の機能が低下して全身の筋肉に十分な血液を供給できないために起こると考えられています。